法定翻訳は、公的な性質を持つ文書を役所などに提出する場合に求められることが一般的です。
私はコルマール控訴院に登録している法定翻訳士・通訳士です。私の法定翻訳はフランス全土で有効であり、フランスの全ての公的機関で法定翻訳として認められます。
法定翻訳が求められる文書の例をいくつか挙げてみます。
日仏法定翻訳には厳密さが必要です。
原文に対して何も足さず、何も引かないこと、そして当然のことながら部分的に意味を変えるのはもってのほかです。お客様に納品する翻訳は原文を正確かつ忠実に反映していなければならないのです。 これとは別に、一部抜粋が明確に示されている場合は、その部分だけの翻訳が可能です。
法定翻訳は、法定翻訳士が捺印しているため公的に認められる文書としての価値を有します。翻訳は原本のコピーからでも行えます。コピーかスキャンを送っていただければ、お客様は原本を郵送せずにすみます。
提出先が原本を求めた場合は、コピーを使用した翻訳と合わせて原本も呈示してください。
翻訳と通訳は、それぞれに特殊なスキルが必要であり、別の職種です。法定翻訳士全員が法定通訳士というわけではありません。
法定通訳が役割を果たす場は、まず第一に裁判所が挙げられますが、公証人役場や警察署、更には、コミュニケーションにおいて完璧な相互理解が必要な公的手続きの場でも不可欠な存在となっています。
専門性が高く裁判所が判断の補助を必要とする分野の職業(建築士や医師など)では、宣誓をした人が裁判所に登録されます。
宣誓した翻訳士は司法補助職のひとつである司法鑑定人です。
宣誓は翻訳士の住所地を管轄する控訴院で行われます。
認証
翻訳にされた署名が翻訳士のものであると証することです。
翻訳士又は通訳士が宣誓するまでには、審査を受け、犯罪歴がないことや職歴と能力が確認されます。管轄控訴院の必要に応じて、翻訳又は通訳、あるいはそのどちらに関しても宣誓をするよう求められます。この時行う宣誓とは、可能な限り忠実に翻訳又は通訳することを正式に誓うことです。翻訳士は宣誓の対象とした言語の組み合わせで翻訳することを公式に許可され、翻訳は原文に忠実であるとみなされます。
かつて宣誓の効力は一生続くものでしたが、現在では5年ごとの更新制になっています。更新を忘れた場合は、登録が抹消されますので、翌年の登録に向けて改めて申請しなければなりません。
少し前までは、文書をファックスで送信することが現代的な方法でした。 受信したものは感熱紙に白黒で印刷されていました。文字が鮮明でなかったり、印刷物としての品質は良くなかったです。

今では白黒のファックスはもう過去のもの!メールで送られたスキャンを使って翻訳ができます。印刷物としての仕上がりにもこだわる自分としては、翻訳に添付する原文書(翻訳の対象であるソース言語の文書)の印刷品質が抜群に向上したことは大変な喜びです。美しい仕上がり、良い仕事。
翻訳する文書を写真撮影する場合は、文書の位置調整にご注意ください。普通に写真を撮るとこのようになります。
これでも読み取れるのですが、見ているだけで苦しいものがありますし、翻訳に添付した時に周囲の余白のアンバランスさが気になってしまいます。